救護に関する元方事業者の責任と義務(建設業のみ)
救護に関する元方事業者の講ずべき措置
建設業で政令で定める仕事※1が数次の請負契約によって行われる場合、元方事業者は、爆発、火災等が生じたことに伴い、労働者の救護に関する措置がとられる場合における労働災害の発生を防止するため、関係請負人(下請)も含めたすべての労働者に関して、次の措置を講じなければなりません。
- 労働者の救護に関し必要な機械等の備付け及び管理を行うこと。
- 労働者の救護に関し必要な事項についての訓練を行うこと。
- その他、爆発、火災等に備えて、労働者の救護に関し必要な事項を行うこと。
※1 政令で定める仕事とは、次の仕事です。
- ずい道等の建設の仕事で、出入口からの距離が1,000メートル以上の場所において作業を行うこととなるもの及び深さが50メートル以上となるたて坑(通路として用いられるものに限ります。)の掘削を伴うもの
- 圧気工法による作業を行う仕事で、ゲージ圧力0.1メガパスカル以上で行うこととなるもの
救護に関し必要な機械等
建設業で政令で定める仕事※1を行う事業者は、次の機械、器具その他の設備を備え付けなければなりません。ただし、メタン又は硫化水素が発生するおそれのないときは、②のメタン又は硫化水素に係る測定器具については不要です。
① 空気呼吸器又は酸素呼吸器
② メタン、硫化水素、一酸化炭素及び酸素の濃度を測定するため必要な測定器具
③ 懐中電灯等の携帯用照明器具
④ その他、労働者の救護に関し必要な機械等
また、その事業者は、それらの機械等については、次の時※2までに備え付けなければなりません。
- ずい道等の建設の仕事で、出入口からの距離が1,000メートル以上の場所において作業を行うこととなるもの及び深さが50メートル以上となるたて坑(通路として用いられるものに限ります。)の掘削を伴う仕事については、出入口からの距離が千メートルの場所において作業を行うこととなる時又はたて坑(通路として用いられるものに限ります。)の深さが50メートルとなる時
- 圧気工法による作業を行う仕事で、ゲージ圧力0.1メガパスカル以上で行うこととなる仕事については、ゲージ圧力が0.1メガパスカルの圧気工法による作業を行うこととなる時
そして、その事業者は、①から③の機械等については、常時有効に保持するとともに、①の空気呼吸器等については、常時清潔に保持しなければなりません。
救護に関する訓練
建設業で政令で定める仕事※を行う事業者は、次の事項についての訓練を行わなければなりません。
① 前条第一項の機械等の使用方法に関すること。
② 救急そ生の方法その他の救急処置に関すること。
③ その他、安全な救護の方法に関すること。
また、その事業者は、上記の訓練については、※2の時までに1回、及びその後1年以内ごとに1回行わなければなりません。
そして、事業者は、上記の訓練を行ったときは、次の事項を記録し、これを3年間保存しなければなりません。
① 実施年月日
② 訓練を受けた者の氏名
③ 訓練の内容
救護の安全に関する規程
建設業で政令で定める仕事※を行う事業者は、※2の時までに、労働者の救護の安全に関して次の事項を定めなければなりません。
① 救護に関する組織に関すること。
② 救護に関し必要な機械等の点検及び整備に関すること。
③ 救護に関する訓練の実施に関すること。
④ その他、救護の安全に関すること。
人員の確認
建設業で政令で定める仕事※を行う事業者は、※2の時までに、ずい道等(ずい道及びたて坑以外の坑のこと。)の内部又は高圧室内(潜かん工法その他の圧気工法による作業を行うための大気圧を超える気圧下の作業室又はシャフトの内部のこと。)において作業を行う労働者の人数及び氏名を常時確認することができる措置を講じなければなりません。
救護に関する技術的事項を管理する者の選任
建設業で政令で定める仕事※を行う事業者は、※2の時までに、その事業場の専属の者で、資格を有する者のうちから、救護に関する技術的事項を管理する者を選任し、その者にその技術的事項を管理させなければなりません。
そして、その事業者は、救護に関する技術的事項を管理する者に対し、労働者の救護の安全に関し必要な措置をなし得る権限を与えなければなりません。
救護に関する技術的事項を管理する者の資格
救護に関する技術的事項を管理する者の資格は、次の者で、厚生労働大臣の定める研修を修了したものです。
① ずい道等の建設の仕事で、出入口からの距離が1,000メートル以上の場所において作業を行うこととなるもの及び深さが50メートル以上となるたて坑(通路として用いられるものに限ります。)の掘削を伴う仕事については、3年以上ずい道等の建設の仕事に従事した経験を有する者
② 圧気工法による作業を行う仕事で、ゲージ圧力0.1メガパスカル以上で行うこととなる仕事については、3年以上圧気工法による作業を行う仕事に従事した経験を有する者
分割発注の場合
① 自ら仕事を行わない建設業の仕事の発注者は、政令で定める仕事※1が数次の請負契約によって行われる場合で、その仕事を2社以上の請負人に請け負わせて作業を行なうとき(分割発注するとき)は、請負人でその仕事を自ら行なう事業者であるもののうちから、救護に関する元方事業者の講ずべき措置を講ずるべき者として1人を指名しなければなりません。
また、自ら仕事を行わず、建設業の仕事の全部を請け負った者で、政令で定める仕事※1が数次の請負契約によって行われる場合で、その仕事を2社以上の請負人に請け負わせて作業を行なうとき(分割発注するとき)も、同様です。
この指名は、仕事の主要な部分を請負った者について、あらかじめその者の同意を得て行わなければなりません。ただし、仕事の主要な部分が数次の請負契約によって行われるため請負人が2社以上あるときは、これらの請負人のうち、最も先次の請負契約の当事者である者又はこれらの者が互選した者を指名します。
② 特定元方事業者を指名しなければならない発注者又は請負人は、指名ができないときは、遅滞なく、その旨をその場所を管轄する労働基準監督署長に届け出なければなりません。(この指名がされないときは、労働基準監督署長が指名することとなります。)
③ この指名がされたとき、指名された事業者は、その場所においてその仕事の作業に従事するすべての労働者に関して、救護に関する元方事業者の講ずべき措置を講じなければなりません。

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